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2021.05.31
副業が解禁されるのはいつから?副業解禁のメリットや注意点も解説
近年、政府が推進している「働き方改革」により、ダブルワークや副業という言葉をよく耳にするようになりました。 とはいえ、いまだに副業が解禁されていない企業もありますが、実際に副業はいつから解禁されたのか、副業を解禁することによる企業側のメリット・デメリットは何があげられるのか、詳しく解説していきます。
目次
副業解禁とは
副業解禁とは、企業が副業を認めるかどうかの働きです。少しずつ増えてはいるものの、いまだに副業を禁止している企業は多いです。その理由について解説していきます。
副業解禁はいつから?
2017年に閣議決定された「働き方改革実行計画」では、テレワークや副業・兼業などの自由な働き方が認められるようになり、2018年が副業元年と言われています。政府は副業を積極的に推奨していますが、実際には多くの企業が認めていないという現状があります。
解禁までの背景
2008年のリーマンショックで、日本株が暴落し、景気は深刻に悪化していました。企業側もリーマンショックの対策として、派遣社員の打ち切りや、新卒の内定取り消し、従業員の減給など厳しい状況が続きました。リーマンショックがきっかけとなって、副業を一切認めていなかった企業は、従業員の個人の生活を営むために副業を解禁し始めました。
政府の動向
2016年、「誰もが今よりもう一歩前へ踏み出すことができる社会を作る」ためのプランを示す「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定されました。 そして2017年には、「働き方改革実行計画」が決定され、テレワークや副業・兼業などの柔軟な働き方の実現が目標と定められました。翌年2018年に可決・決定され、企業に推奨されるようになりました。
企業の動向
一方、「働き方改革実行計画」が出されて企業側はすぐに副業を解禁したかと言われればそうではありません。企業側の懸念点があり、なかなか解禁まで踏み出せていないのが現状です。一方で副業を解禁した企業もあるので、後ほどご紹介します。
副業の現状
多くの企業が副業禁止のまま
平成28年の経済産業省のデータでは、日本における副業禁止の企業は全体の82%にのぼり、副業を解禁している企業の方が珍しいという状況です。企業側は、本業への支障や情報流出、人材流出などのリスクを恐れて副業を認めていないところが多いようです。
副業を解禁した大企業もある
ソフトバンク、リクルートなど日本の大手企業は副業を解禁しています。 これらの企業は副業を解禁するメリットとして、離職を防止するということが理由の一つに挙げられます。副業ができる企業へ転職してしまう可能性を恐れて、従業員のモチベーションを上げるためにも副業OKにしています。
副業解禁による従業員のメリット・デメリット
メリット
スキルの向上
副業には、スキルが身につくものが多くあります。例えば、WEbライターの仕事ではライティングのスキルや知識も身につきます。種類によって必要なスキルは変わってきますが、自分が興味のあるジャンルに挑戦してスキルを身につけることができます。
収入の増加
本業以外にも仕事する時間を費やすことで、もちろんその分収入の増加が見込めます。副業を行うことで手取り金額も増え、趣味や生活に使えるお金に余裕ができます。余裕ができると充実した生活を送ることにもつながります。
キャリア形成
副業をすることで離職しなくても別の仕事を行うことができ、スキルや経験を得てキャリアを形成できます。転職の可能性も広がるので、自分の市場価値を上げることができます。
デメリット
スケジュール管理
仕事を掛け持ちするとなると、その分タスク・スケジュール管理が複雑になってくるので注意が必要です。ブッキングしてしまって副業の予定が本業の仕事に影響を与えてしまうと本末転倒なので、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。
健康管理
本業の勤務時間以上に、副業に時間を費やすことになるため、全体的に労働時間が長くなってしまい、睡眠不足などで体調を崩しやすくなることがあります。 副業をすることで休息する時間が無くなり、体力的にも精神的にも厳しくなってしまうこともあります。副業で忙しくても休息日はしっかりと設定することをお勧めします。
税金や確定申告の必要性
本業での所得が増えると、そのぶん収めるべき税金額も変わってきます。基本的に副業の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になってくるので、自分で所得を算出し期限内に確定申告を忘れ無いようにしましょう。
副業解禁による企業側のメリット・デメリット
メリット
優秀な人材の確保
従業員がやりたい仕事へ挑戦する機会を与えられるため、内部の人材の流出を防止することが可能となります。また、副業OKの会社に転職を考えている優秀な人材確保の機会もあるかもしれません。
社員の能力の向上
社内教育だけでは得られないスキルを、社員が自ら学んでくれることによって、社内にはないノウハウや知識を獲得でき、生産性の向上へや会社の利益につながる可能性が高いです。
ブランディングに繋がる
自由な働き方が可能になってきているこの時代、副業を解禁している企業は従業員にとって魅力的に映るでしょう。自由な社風をアピールすることでき、副業を求める優秀な人材を確保しやすくなります。
デメリット
情報漏洩のリスク
会社は守秘義務を定めていますが、本業の会社の情報を私的に利用されてしまう可能性は0ではありません。会社の情報を利用されると、会社のダメージを受けてしまう恐れが高いので社員との秘密保持契約などを結んでおく必要があります。
人材流出
従業員が副業を行なってしまい興味の対象がそちらになってしまうと離職率が上がってしまう可能性があります。会社としても従業員は財産の一つであるため、流出してしまうとなるとまた新たに確保しなければなりません。
本業への支障の懸念
副業を行なった結果、睡眠不足や集中力の低下などで本業への支障が出てきてしまうことが懸念の一つです。従業員にとって長時間は負担が大きいので、過重労働になってしまう可能性が出てきてしまいます。
企業が副業を解禁する際の流れ
実際に副業解禁するにあたって具体的にどのような動きを取れば良いのでしょうか。従業員とのトラブルを避けるためにも、副業を全面的に解禁するのか、条件を設けた上で一部のみを解禁するかなどを明確に設定しておきましょう。
副業解禁の条件設定
業務内容を制限するか否か
会社と同じ業種の副業だと、それが会社の損害になる可能性が高いです。 業務内容を制限せずに解禁した場合、同業他社などの競合はもちろん、会社情報やスキルを持ち出しての起業や、企業の信用・イメージに関わるとなると、様々なリスクが考えられます。従業員の副業が自社に悪影響を与えることがないよう、制限を決めておいたほうが良いです。
雇用形態に制限を設けるか否か
長時間労働を防ぐため労働時間や雇用形態を制限するのか、副業先での学びを重んじるために時間を制限せず許可を行うのか、企業それぞれの目的や運用方針に応じ、雇用形態の制限を調整していきましょう。 例えば飲食店アルバイトのようにシフト制の副業を許可するか、一日の単発バイトのみ許可するなど、会社の状況も踏まえた上で考慮しましょう。
副業申請の手続きフローを確立
副業を許可する場合は、申請制など手続きを決めた方が良いです。制限を一切なしに副業を解禁することは、自社にとって予期せぬトラブルの原因になる可能性があります。 申請フローを確立し、どの従業員が副業しているのか把握できる状態にしておきましょう。
就業規則に副業解禁の条件を明記し、社員に周知する
上記の条件設定が確立できたら全社員が確認できる就業規則として記し、その内容を社員に周知することが必要です。
従業員に届出してもらう
企業側は円滑な運用やトラブル回避のためにも、従業員に届出を提出してもらうことをお勧めします。
企業が副業を解禁する際の注意点
企業は副業を解禁してからも注意するべきポイントがあるので、よく確認しておきましょう。
従業員の労働時間管理
労働基準法第38条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されています。つまり、本業と副業の労働時間は通算されるので、労働時間をこえてしまう場合は1時間外労働として割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。 ここで、本業先か副業先どちらが時間外労働として割増賃金を支払うのかという問題が挙げられます。ですので従業員が副業先ではどのような勤務シフトで、どのくらいの時間勤務しているのかを、把握しなくてはいけません。
社会保険料・労災保険の取り扱い
基本的に社会保険は本業として勤務しているところに適用が判断され、その会社で加入することになります しかし従業員が副業を行なって、副業先でも社会保険に加入することになった場合は複数加入となります。ただし、従業員が本業となる会社を選択することで、保険証などを発行する手続きを会社が行わなくてはなりません。
副業の規定を守らない従業員への対応
就業規則を破った副業を行なっていた従業員について、どのよう対応をするか明確にしておく必要があります。規定を違反したことで、どういった損害を会社に与えてしまったのか、具体的な事実と懲戒の処分が見合うかどうか判断が必要になってきます。 就業規則を規定するだけでは運用は難しいので、最悪のケースのことも考慮しておきましょう。
副業解禁の検討時の参考資料
厚生労働省の『副業・兼業の促進に関するガイドライン』
厚生労働省がHP上で公表しているガイドラインに目を通しておきましょう。 副業の現状や政府の方向性や、企業がすべき内容や労働者が注意すべきことが書かれています。さらに労災保険や雇用保険・厚生年金・健康保険といった制度についても載せているので勉強になります。 企業が副業解禁に向けて具体的に何をすれば良いのか、就業規則の変更内容については、最新版のモデル就業規則を参考にするとよいでしょう。
副業従事者の事例
実際に副業を行なっている人の事例を見てみるのも参考になるかもしれません。インターネットで調べれば数多く出てきますが、厚生労働省の中で副業従事者をまとめているものが参考になります。 実例を見れば、副業の目的やメリットだけでなく、より具体的な時間管理や健康管理の工夫なども記載されるので是非目を通してみてください。
副業解禁企業の事例集
副業解禁している企業の実例については、ビジネス雑誌やネットニュースなどでもよく取り上げられていますが、公的資料としては、中小企業庁の「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」が参考になります。 解禁に踏み切った狙いや実際に副業している従業員の具体例、メリット・デメリットが記載されているので、社内で副業について検討する際の参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、働き方改革による副業解禁についてご紹介しました。副業解禁することのメリットも多いので、まだ副業を解禁していない企業は、この機会に考えてみるのも良いかもしれませんね。
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▼副業の定義について詳しく知りたい人は、こちらの記事をお読みください
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